東京高等裁判所 昭和26年(う)1403号 判決
記録を精査するに被告人が昭和六年十月十日生れで昭和二十六年十月十日満二十歳に達するものであること、被告人は昭和二十五年九月二十二日(満十八年十一ケ月の当時)傷害事件の為宇都宮地方裁判所に起訴され、昭和二十六年二月十二日に至り懲役二年の有罪判決を受けたものであることが明瞭である。之に対し論旨は以上の如き関係に於ては原審は不定期刑を言渡すべきが当然であり之に定期刑を言渡したのは法律の適用を誤つたものであり原判決は破棄を免れないと主張するのである。
よつて按ずるに右起訴当時に於ては少年法附則によつて満十八歳以上の者は成人として取扱われたのであるから起訴手続は其の後の法律の規定の変遷に拘らず適法であることに論はない。斯る事件が少年法附則に規定された昭和二十四年一月一日以降二年の期間内に判決言渡とならず、昭和二十六年一月一日以降に至り判決言渡となる場合には単純に少年法第五十二条の規定を適用すべきものである。即ち昭和二十四年一月一日以降二年間を経過した後は二十歳未満の者はすべて少年として扱うべきものであり、右期間内に於て前記附則の適用上二十歳未満なるに拘らず一時成年の扱いを受けていたか否かの如き顧慮を払う必要はないのであつて、之を右附則第六十八条の立法の趣旨を含めて少年法の意とするところであるとしなければならない。よつて原判決は此の点に於て破棄を免れない。